腱鞘炎④（構造Ⅱ筋肉）
腱鞘炎は同じ動作の繰り返し(筋肉や腱の使いすぎ)で発病する病気です。
今回は手、指に関する筋肉に関して少し解説します。
１前腕の屈筋群
主に肘の内側・前腕の前面から手・指のひらに付着する筋群で、手首・指の関節を曲げる様に作用する。
- 橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
- 上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)から、手のひらの人差し指と中指の付け根(第2・第3中手骨底)に付着し、手関節を掌屈(屈曲)・橈屈・前腕の回内をする筋肉。
- 尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)
- 上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)と尺骨肘頭(しゃっこつちゅうとう)から手のひらの小指側（豆状骨・第5中手骨底・有鈎骨）に付着し、手関節を掌屈(屈曲)・尺屈する筋肉です。
- 長掌筋(ちょうしょうきん)
- 上腕骨内側上顆・前腕筋膜内面から手掌腱膜(しゅしょうけんまく)に付着し、手関節を掌屈(屈曲)する筋肉です。
- 浅指屈筋(せんしくっきん)
- 肘の内側(上腕骨内側上顆、尺骨粗面)、橈骨の上方前方から指の第2関節(第2～5指中節骨底)に付着し、親指以外の指を曲げる(第2～5指PIP関節の屈曲)・手関節を掌屈(屈曲)する筋肉です。
- 深指屈筋(しんしくっきん)
- 尺骨前面、前腕骨間膜から指の第1関節(第2～5指末節骨底)に付着し、親指以外の指を曲げる(第2～5指DIP関節の屈曲)・関節を掌屈(屈曲)する筋肉です。
- 長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)
- 橈骨前面、前腕骨間膜から親指の先(母指末節骨底)に付着し、親指を曲げる(IP関節・MP関節屈曲) ・関節を掌屈(屈曲)する筋肉です。
- 円回内筋
- 上腕骨内側上顆、尺骨鈎状突起から橈骨回内筋粗面に付着し、肘関節の屈曲・前腕を回内する筋肉です。
- 方形回内筋(ほうけいかいないきん)
- 尺骨先端の前面から橈骨下端の前面に付着し、前腕の回内をする筋肉です。
２前腕の伸筋群
主に肘の外側・前腕の後面から手・指の甲に付着する筋群で、手首・指の関節を伸ばす様に作用する。
- 総指伸筋(そうししんきん)
- 上腕骨外側上顆、前腕筋膜から指の第1・2関節(第2～5指中節骨底、末節骨底)に付着し、親指以外の指を伸ばす(第2～5指のDIP関節、PIP関節、MP関節の伸展)・手関節の背屈(伸展)する筋肉です。
- 長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)
- 上腕骨外側上顆から手の甲の人差し指の付け根(第2中手骨底)に付着し、手関節の背屈(伸展)・橈屈する筋肉です。
- 短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)
- 上腕骨外側上顆から手の甲の中指の付け根(第3中手骨底) に付着し、手関節の背屈(伸展)・橈屈する筋肉です。
- 尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)
- 上腕骨外側上顆、尺側上部後面から手の甲の小指の付け根(第5中手骨底)に付着し、手関節の背屈(伸展)・尺屈する筋肉。
- 長母指伸筋(ちょうぼししんきん)
- 尺骨後面、前腕骨間膜から親指の先(母指末節骨底)に付着し、親指を伸ばす(母指IP関節、MP関節の伸展)筋肉。
- 短母指伸筋(たんぼししんきん)
- 前腕骨間膜、橈骨後面から親指の第1関節(母指基節骨底)に付着し、母指MP関節の伸展・母指外転(撓屈)する筋肉です。
- 長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)
- 尺骨と橈骨の後面、前腕骨間膜から親指の付け根(第1中手骨底外側)に付着し、母指の外転(撓屈)、伸展・手関節の橈屈をする筋肉です。
- 示指伸筋(じししんきん)
- 尺骨後下部、前腕骨間膜から人差し指の先端(中節骨、末節骨底)に付着し、人差し指を伸ばす(示指の伸展)・手関節の背屈(伸展)する筋肉です。
- 小指伸筋(しょうししんきん)
- 上腕骨外側上顆から起こり、小指の先端(中節骨、末節骨底)に付着し、小指の伸展、外転する筋肉です。
- 回外筋(かいがいきん)
- 上腕骨外側上顆、尺骨回外筋稜から橈骨外側に付着し、前腕の回外をする筋肉です。
